訪問介護のパートに興味はあるけれど、
「自分に向いているのか分からない」「続けられるか不安」――そんなふうに感じていませんか?
たしかに、介護の仕事には向き・不向きがあります。
しかし、訪問介護のパートは、働く時間の自由さや仕事内容の特性から、他の介護職と比べて選択肢の幅が広く、実はさまざまな人にフィットする働き方でもあるのです。
この記事では、訪問介護パートという働き方が「どんな人におすすめできるのか」、逆に「どんな人には合いにくいか」、
おすすめできる人8選とおすすめできない人1選を整理してご紹介します。
結論、次のとおりです。
おすすめできる人① 時間の自由度を優先したい人
おすすめできる人② 相手の気持ちに気づける人
おすすめできる人③ 自分の軸で働き方を組み立てたい人
おすすめできる人④ 自分で考えるより、決めてもらう方が働きやすい人
おすすめできる人⑤ 人に興味がある人
おすすめできる人⑥ 誰かの役に立っている手応えを感じたい人
おすすめできる人⑦ 介護のリアルを知りたい人
おすすめできる人⑧ ちょっとした収入で十分という人
おすすめできない人① 高収入を得たい人
順番に見ていきましょう!
目次 非表示
「時間」に関して
おすすめできる人① 時間の自由度を優先したい人
訪問介護のパートという働き方は、時間の自由度が高いのが大きな魅力です。
働く曜日や時間帯、勤務量やお休みなど、希望に合わせて柔軟に調整することができます。
例えば、
- 朝の時間帯は忙しいので、10時以降から働きたい…
- 夕方は子どものお迎えがあるので、日中だけ働きたい…
- 副業と両立したいので、1日4時間くらいの勤務にしたい…
- トレーニングの時間も確保したいので、仕事の合間に余裕を持たせたい…
- プライベートの用事がある日は、休みを取りたい…
このように、自分の生活スタイルに合わせて働くことが可能です。
そのため、
- 子育て中の人
- ご家族の介護をしている人
- 副業と両立したい人
- 夢を追いながら柔軟に働きたい人
といった「時間の自由度を優先したい人」にとっては、訪問介護のパートはとても相性の良い働き方といえるでしょう。

私は合間にダンスの練習がしたくて、間を2〜3時間空けてもらったりしていました!
「性格」や「価値観」に関して
おすすめできる人② 相手の気持ちに気づける人
訪問介護の現場では、ご利用者様や事業所との間でトラブルになってしまう人を、時折見かけることがあります。
その原因を探っていくと、不満を持っている側からは、こんな声が聞こえてきます。
- 連絡をくれるはずが、いつまでたっても来ない
- やってほしいことと違うことをされた
- 配慮が足りない
要するに、「私の気持ちが無視されている」と感じていることが多いのです。
私自身、訪問介護の仕事をする中で、トラブルの多くはこの「気持ちが無視される」ことが根っこにあると気づきました。
一方で、どこのお宅に行ってもスムーズに仕事をこなせる人もいます。そういう人は、相手の気持ちに自然と気づき、トラブルの芽を先に摘んでいるように見えます。
トラブルがなければ、仕事はとても快適ですし、働きやすさは格段に違ってきます。
ですから、相手の気持ちに気づける人というのは、それだけで訪問介護にとても向いていると言えるでしょう。

相手の言いなりになってなんでも応じるというわけではなく、
気持ちは尊重して、バランスをとっていくんですね。
おすすめできる人③ 自分の軸で働き方を組み立てたい人
自己管理や時間管理が得意で、自分の生活スタイルを自分の手で作っていきたい人には、訪問介護のパートはとても相性が良い働き方です。
育児や介護、副業、夢の実現、あるいは健康維持のためなど、目指すライフスタイルは人それぞれですが、訪問介護はシフトの自由度が高いため、そうした理想に向けて働き方を柔軟に設計できます。
「今はこのくらい働きたい」「この曜日は空けておきたい」「この時間帯だけ働きたい」など、自分の希望をベースにスケジュールを組めるため、自分の暮らしを主体的に組み立てていきたい人にとって、非常に心地よい働き方になるでしょう。

積極的に活用しましょう!
おすすめできる人④ 自分で考えるより、決めてもらう方が働きやすい人
反対に、「自分で細かく考えるのはちょっと苦手」「スケジュールや仕事の流れは決めてもらった方が楽」というタイプの人にも、訪問介護のパートはおすすめできます。
訪問介護では、基本的に事業所が訪問先やスケジュールを組んでくれるため、指示に従って動けば仕事がスムーズに進みます。
自分で段取りを組むより、用意された流れに沿って動く方が得意という方にとっては、かえって働きやすい環境かもしれません。

仕事のお膳立てをしてもらえるのも魅力です!
おすすめできる人⑤ 人に興味がある人
訪問介護に向いているのは、「人と話すのが好き」「明るくて社交的」というタイプの人ばかりではありません。
むしろ、「話すのは得意じゃないけど、人に関心がある」という人も、十分に向いています。
実際、ご利用者様もさまざまです。たくさんお話したい方もいれば、静かな時間を好む方もいます。
無理に話題を提供したり、元気に振る舞ったりしなくても大丈夫です。
「この方はどんな人なんだろう」と自然に関心を持って接していれば、それだけで立派なコミュニケーションになります。
年齢も経歴も性格も、本当にいろいろな方がいらっしゃいます。
介護の現場にいると、「人って本当に多様なんだ」と感じる場面にたくさん出会います。
そういう意味では、「人」に興味がある人にとって、訪問介護はとても面白く、学びの多い仕事だと思います。

良くも悪くも、今まで会ったことがないような人と出会えたら、
それは自分を広げてくれる機会になるはずです!
おすすめできる人⑥ 誰かの役に立っている手応えを感じたい人
どんな仕事も、広い意味では誰かの役に立っているものです。
ですが、職種によってはその「役に立っている実感」をなかなか得にくい場合もあるかもしれません。
その点、訪問介護の仕事は、ご利用者様と一対一で向き合い、目の前の困りごとを直接手助けする仕事です。
感謝の言葉や安堵の表情などを通じて、相手の役に立てている手応えをダイレクトに感じることができます。
しかも、訪問先は一つだけでなく、毎日いろいろなお宅を回ります。
その分、「今日もいくつかの家庭の力になれた」という実感を持ちながら働くことができます。
人の役に立ちたいという気持ちがある方には、とてもやりがいのある仕事です。

自己肯定感も上がりますね!
おすすめできる人⑦ 介護のリアルを知りたい人
介護とは実際どんなものか、現場で学びたい方にも訪問介護の仕事はおすすめです。
訪問先では、心身の衰えや病気の進行といった多様なケースに触れることができます。
また、家族の介護への関わり方、訪問看護やデイサービスなど、他の支援サービスとの連携の様子も見えてきます。
将来の介護に備えたい方や、身近な人の介護に役立てたい方にとって、訪問介護の現場は「介護のリアル」を学べる貴重な機会になるはずです。

いろいろなケースに触れて、全体像が見えてきます。
「収入」に関して
おすすめできる人⑧ ちょっとした収入で十分という人
働きながら健康を保ちたい年配の方や、経済的に余裕があり社会とのつながりを持ちたいという方にとって、訪問介護のパートはとても相性の良い仕事です。
時間や働く量を自分に合わせて無理なく調整できるうえに、感謝される場面も多く、やりがいを感じやすい仕事でもあります。
必要以上に多く稼ぐことを目的とせず、自分のペースで誰かの役に立ちながら働く。
そんな働き方が、日々の充実感や人生の満足度を高めてくれるのではないでしょうか。

社会のためにもなりますね!
おすすめできない人① 高収入を得たい人
訪問介護のパートはやりがいのある仕事ですが、「しっかり稼ぎたい」「高収入を目指したい」という方には、やや物足りなさを感じるかもしれません。
たとえば、筆者の事業所では
時給は1,300円〜2,250円程度(処遇改善加算を含めればもう少し上がります)で、
月80時間ほど働いて手当込みで20万円程度の収入になります。
働く時間や件数の調整ができるのはメリットですが、
反対に「時間をかけてたくさん働く」スタイルでないと収入は大きくなりにくいのが現実です。
また、正社員になった場合でも、他業種と比べて賃金水準は高いとは言えません。
厚生労働省の統計によれば、介護職全体の平均月収は20万円台後半〜30万円前後とされており、同世代の他職種と比べてやや低めです。
そのため、「まずは収入を最優先に考えたい」方にとっては、他の職種のほうが合っているかもしれません。

介護業界は仕組み上、賃金を上げるのが難しいです