介護職から転職した人の中には、「介護そのものは嫌いじゃないけれど、人間関係や労働環境の過酷さが理由でやむなく職を離れた」という方も多いのではないでしょうか。
確かに介護の現場は、働き方によっては心身に大きなストレスがかかり、辞めざるを得ない状況になることも少なくありません。
それでも、転職して別の仕事をしてみた結果、「やっぱり介護のほうが自分には向いているのでは」と、復職を考える人もいるのではないでしょうか。
介護の仕事が嫌いではないのであれば、訪問介護パートという働き方での復職がおすすめです。
訪問介護パートなら、比較的負担が少なく、自分のペースで介護の仕事を続けることができます。
- 基本、単独行動で人間関係のストレスが少ない
- 週1日・1時間からでも働けて、仕事量の調整が自由
- ご利用者さんと1対1で、丁寧に向き合える
- 身体的・精神的な負担も比較的少ない
私は、訪問介護パートの仕事を始めてから20年以上現場に立ち続け、現在は訪問介護事業所の運営もしています。
辞めたくなるほどの大きなストレスを感じたことはなく、むしろ「働きやすい」と感じながら、今もこの仕事を続けています。
この記事では、介護職を離れた理由から、「無理なく介護の仕事を続ける方法」までをご紹介します。
「やっぱり介護に戻りたい」と感じている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
「介護が嫌いになったわけじゃない」──でも、離れた理由にはちゃんと訳がある
介護の現場には「いい人」が多いという実感
介護の仕事をしていると、本当に「いい人」が多いなと感じます。
私の周りのヘルパーさん、デイサービスの職員さん、施設の介護スタッフの方々も、みなさん優しくて、面倒見がよくて、どこか人のことを自然と気にかけられる方ばかりです。
きっと、介護の仕事を選ぶ人たちは、「自分のこと」より「誰かのこと」を考えられるタイプが多いのだと思います。
離職の原因は、介護そのものじゃないことが多い
でも、そんな「いい人たち」でも、介護の仕事を離れてしまうケースは少なくありません。
その理由をよくよく聞いてみると、「介護そのものが嫌いになった」というよりも、環境の負担や不満が積み重なった結果であることが多いのです。
介護職の離職理由、よくある上位5つ
- 職場の人間関係に問題があった
- 心身への負担が大きかった
- 施設や事業所のやり方に納得できなかった
- 他に良い職場・仕事が見つかった
- 収入面での不満があった
もちろん介護自体にも大変な面はありますが、それに加えて環境的なストレスが重なると、どんなにやりがいがあっても続けるのは難しくなります。
介護の難しさと、現場で感じる「しんどさ」
ご利用者さんの身体を支える身体介護は、何度も繰り返せば自分の体を壊してしまうこともあります。
認知症の方とのやりとりや、気難しい利用者・ご家族への対応には、神経も使います。
夜勤や不規則なシフトによって生活リズムが乱れ、体調も心も削られていく──。
人手不足で一人ひとりの負担は大きくなり、職場の人間関係もピリつきやすくなる……。
「なんでこんなに頑張ってるのに、こんなに苦しいんだろう」
そんなふうに思って、離職を決めた人も多いはずです。
それでも「介護をやめた自分」を責めなくていい
本当はご利用者さんにしっかり向き合いたいのに、
現場のやり方、人間関係、人手不足、過重労働、低賃金──
そんな“余計なストレス”に押しつぶされるようにして辞めていった人たちに、私はいつも「あなたは悪くない」と伝えたい気持ちになります。
「介護」のストレスならまだしも、
本当に”無駄”なストレスが多すぎる……！
介護を離れる選択をしたのは、甘えではなく「仕方のない判断」だったのです。
離れてみて気づく、介護という仕事の価値
「離れてみて、初めて気づく大切さ」というのは、どんな分野にもあるものです。
介護を辞めて、他の仕事に就いてみたことで、
「介護の現場にあった良さ」「自分にとって大切だったもの」が、改めて見えてくることもあるはずです。
「ありがとう」と言ってもらえる喜び
たとえば、事務職などと違い、介護職は利用者さんと直接関わり、サービスを提供する仕事です。
その中で、「ありがとう」「助かったよ」と言葉をかけてもらえる機会がたくさんあります。
この「ありがとう」が、実は想像以上に心に効いていた——
辞めて初めて、そう気づく人も少なくありません。
自己肯定感を上げてくれますね。
単なるルーティンじゃない、工夫する面白さ
介護は「流れ作業」のようなルーティンワークではありません。
ご利用者さんの状態や気分は日々変わり、同じことをしても同じようにはいかない。
だからこそ、毎回「どうすれば良くなるか」と考えて動く必要があります。
その場で臨機応変に対応し、うまくいったときの手応え。
それがこの仕事の“面白さ”のひとつです。
言わば「即興のセッション」のような楽しさ！
自分の役割が見えやすい仕事
介護の仕事では、目の前の困っている人を助ける——
そのシンプルで本質的な喜びがあります。
たとえば、トイレや移動のサポート、食事の介助、話し相手になること。
自分の行動がダイレクトに誰かの生活に役立っているという実感が持ちやすく、
それが働く上でのモチベーションにもなります。
私も、仕事をする上で「わだかまりがない」のは大事な部分です。
「自分に向いていたのかも」と気づけることも
介護を離れた後に、他の仕事にチャレンジしてみることで、
「やっぱり、あの仕事の方が自分には合っていたかもしれない」と気づくことがあります。
一度距離を取って客観的に振り返ることで、
介護の仕事に対する向き合い方や、自分の適性を再認識できるのです。
自分に確信が持てるのは、大きな収穫です！
「戻りたいけど不安…」離れた理由を乗り越えられるか？
「やっぱり介護が向いている」──
そう感じたとしても、離職に至った原因が気になるのは当然のことです。
現場のやり方、人間関係のストレス、人手不足による過重労働、そして低賃金……。
介護職が抱える課題は、残念ながらまだ多くあります。
そんな不安を抱える方にこそ、選択肢として知ってほしいのが 訪問介護パート という働き方です。
ストレスを減らすなら「訪問介護パート」という選択
私自身、現場でさまざまな働き方を見てきた中で、
余計なストレスを排除しやすいのが訪問介護パート だと感じています。
ここでは、訪問介護パートならではの働きやすさを５つのポイントでご紹介します。
① 基本、単独行動。人間関係のストレスが少ない
訪問介護は、基本的に一人でご利用者宅を訪問します。
施設勤務のように職員同士で連携を取り続ける必要がなく、人間関係のストレスが大幅に減るのが大きな特徴です。
事業所とのやり取りも、電話やアプリで完結するケースが増えています。
無理な人間関係がないだけで、かなり心がラクになりますよ！
② 仕事量を自由に調整できる
週1日・1時間からでもOKという事業所も多く、働く量は自分で選べるのが訪問介護の魅力。
「しばらくは少しだけ働いて、体を慣らしたい」という復帰にも最適です。
ライフスタイルや体調に合わせて、無理なく働くことができます。
③ 利用者さんと1対1で、丁寧に関われる
施設のような“流れ作業”ではなく、目の前のご利用者さんに集中できるのが訪問介護。
一対一の関係性なので、自分らしい介護が実践しやすく、「介護の本質」に立ち戻れる感覚があります。
自分が「役に立っている」という感覚は嬉しいものですね！
④ 心身への負担が比較的少ない
訪問介護では、夜勤や連続したオムツ交換といった重労働が発生しづらく、体力的にも精神的にも比較的ラクに感じられる方が多いです。
もちろん仕事の内容によって差はありますが、少なくとも「働き方を自分で調整できる」点が、負担のコントロールに大きく寄与します。
⑤「自分に合う」と思えたら、キャリアアップも可能
初めは少ない時間からのスタートでも、「この働き方が自分に合っている」と感じたら、常勤ヘルパーやサービス提供責任者へのキャリアアップも視野に入れられます。
希望によって、より深く介護に関わりながら、安定した収入を得る道も選択できます。
主体的に生きていけるように、選択肢は持っていたいです。
その他にも、メリットについてこちらで解説しています！
無理なく、自分らしく。介護に戻るなら“新しい形”で
訪問介護パートなら、資格を活かして自分のペースで働くことが可能です。
- 少しだけ働いて社会とのつながりを持つ
- 他の仕事と組み合わせてダブルワーク
- 合っていれば本数を増やしてしっかり稼ぐ
すべて、あなたの選択次第です。
「戻るなら、以前と同じ働き方しかない」と思わなくて大丈夫。
ストレスを避けながら、自分の介護観を大切にできる働き方も、ちゃんとあります。
「介護に戻る＝またしんどくなる」じゃない。そう言いたいです。
介護に“戻る”という選択のメリットと、よくある心配
「やっぱり介護に戻りたい」
そう思ったときに、多くの人が感じるのが「本当にまたやっていけるのかな？」という不安。
でも、離れてみたからこそ見えた“自分にとっての介護の意味”は、戻る決断を支えてくれる大きな力になります。
ここでは、復職することのメリットと、よくある不安へのヒントをお伝えします。
「向いている」と気づけたことは、何よりの強み
介護の仕事に戻るとき、もっとも大きな支えになるのは、「自分にはこの仕事が合っている」という実感です。
以前はモヤモヤしながら働いていたかもしれません。
でも今は、「他の仕事も経験した上で、やっぱり介護だ」と思えている。
その確信があることで、以前よりも前向きに、そして自信を持って働けるようになるはずです。
さらに、訪問介護パートのような働き方を選ぶことで、より自分らしくのびのびと力を発揮できる環境も整います。
資格・経験はブランクがあっても消えない
介護の資格や、これまでの現場経験は、ブランクがあっても価値がなくなることはありません。
介護の現場で働いた経験がある方なら、利用者さんとの接し方や現場の流れも体に染みついているはず。
環境にさえ慣れれば、スムーズに感覚を取り戻すことができます。
せっかく取った資格、眠らせたままにしておくのはもったいないですよね。
ブランク復帰の不安にも、ちゃんと対処できる
「しばらく介護から離れていたから、不安…」
そんな気持ちがあるのは当然です。でも、訪問介護パートの現場は“段階的な復帰”がしやすいのが特徴。
- 最初は週1回・1時間からのスタートでもOK
- 慣れるまでは同行訪問でしっかりサポート
- 自分のペースで仕事を増やしていける
こうした柔軟さがあるからこそ、無理なく復職できるのです。
「やってみよう」と思った気持ちがあれば、それが何よりの原動力になります。
介護に戻るのは“後戻り”ではない
転職したあとで、もう一度介護の道を選ぶ──
それは決して「負け」や「妥協」ではありません。むしろ、自分に本当に合った仕事を見つけるための前向きな決断です。
経験を重ねた今だからこそ、介護の価値や自分の適性をより深く理解できている。
それは、以前とは違った「新しいスタート」を切れるということでもあります。
介護に「戻った人」のリアルな声
── 自分らしい働き方を見つけた3人のケース
「また介護の仕事をしたいけど、不安もある」
そんな方にとって、実際に“出戻り”した人たちがどんな風に働いているかを知ることは、大きなヒントになります。
ここでは、3つのパターンで介護職に復帰した方々の例をご紹介します。
🔹 Aさんの場合：午前だけの“リハビリ出勤”から。自分のペースで再スタート
Aさんは、数年前まで特別養護老人ホームで常勤として働いていましたが、体調を崩して退職。
その後はしばらく介護職から離れていたものの、「やっぱり介護が好き」という気持ちがずっと残っていたそうです。
「体力や気力に不安があったので、まずは午前中だけ、週2日から始めました。」
最初は久しぶりの現場に緊張もありましたが、訪問介護パートなら無理なく働けたとのこと。
ひとりで利用者宅を訪問し、落ち着いた環境で丁寧にケアができることも、再開の大きな支えになったそうです。
「“介護をやっている自分”をまた誇らしく思えるようになりました。今は体も心も少しずつ整ってきて、日数も少しずつ増やしています。」
無理せず、自分のペースで戻れるのは訪問介護パートならでは。
Aさんのように「少しだけ働きたい」という思いにも応えられる働き方です。
🔹Bさんの場合：Webデザイナーと介護のダブルワークで心と生活にメリハリ
もともと介護職をしていたBさん。デザイン系のスキルを活かしてフリーランスのWebデザイナーに転身しましたが、
「人と話す機会が減って、ちょっと寂しさを感じていた」と言います。
そんなときに思い出したのが、以前やっていた介護の仕事。
体力的にもきつかった記憶があったそうですが、訪問介護パートは「無理なく働ける」と聞いて、試しに土曜だけ働いてみることに。
「久しぶりに“ありがとう”って直接言ってもらえて、すごく嬉しかったんです。
PCの前では味わえない感覚でした。」
現在は、平日は在宅でデザインの仕事をしつつ、週に1〜2日だけ訪問介護で外に出るスタイル。
バランスの取れた働き方に「ちょうどいい充実感」があると言います。
🔹 Cさんの場合：やっぱりこの仕事が好き。腰を据えて本格復帰
Cさんは、介護福祉士として8年間勤務していましたが、結婚・出産を機にいったん現場を離れました。
子育てがひと段落したタイミングで「また本格的に働きたい」と思うようになり、復帰を決意。
「ブランクがある分、不安もありました。でも、介護の現場に戻ってみたら“体が覚えている”感覚もあって。すぐになじむことができました。」
はじめは短時間勤務からスタートしましたが、少しずつ稼働時間を増やし、現在では週5日しっかり働いています。
以前よりも自分に合った働き方を意識するようになり、訪問介護というスタイルに満足しているそうです。
「忙しくても、1対1で利用者さんにじっくり向き合えるところが気に入っています。以前よりも“自分らしく働けている”実感があります。」
キャリアを一度離れたからこそ、介護という仕事の価値を再確認できたCさん。
経験や資格を活かし、再び本格的に働きたい人にとっても、訪問介護は力強い選択肢です。
自分に合った“戻り方”がある
復帰のスタイルは、人それぞれ。
大事なのは「自分に無理なく、納得して働ける形」を選ぶことです。
訪問介護パートは、短時間から本格復帰まで、幅広い選択肢を用意してくれているのが強みです。
「また介護がやりたい」と思ったその気持ちに、自信を持って大丈夫。
過去の経験が、あなたの復帰をしっかりと支えてくれます。
まとめ：「介護の仕事が合っている」という気持ちを大事にして、一歩踏み出そう
介護の仕事は、働き方によっては心身への負担が大きく、やむなく離れる選択をする人も少なくありません。
でもそれは、あなたのせいではありません。
人間関係のストレス、人手不足、過重労働、低賃金──。辞める理由の多くは、「働く環境」にあります。
「介護そのものは嫌いじゃなかった」
「でもあの環境では続けられなかった」
そんな気持ちで転職したけれど、やっぱり介護に戻りたいと感じている方もいるはずです。
私は、そうした方がもう一度介護に関わる選択肢として、訪問介護パートをおすすめしています。
- 基本、単独行動で人間関係のストレスが少ない
- 週1・1時間からでも働けて、仕事量の調整が自由
- ご利用者さんと1対1で、丁寧に関われる
- 身体的・精神的な負担も比較的少ない
訪問介護パートなら、自分のペースで、自分らしく働くことができます。
せっかく取った資格や経験を活かして、ストレスをコントロールしながら、無理なく、前向きに復職する道です。
「介護の仕事が自分に合っている」
そう感じる自分の気持ちを、どうか否定しないでください。
少しずつ、あなたに合ったスタイルでまた歩き始めてみませんか？
以前とは違う、納得感のある介護の働き方が、きっとあなたを待っていますよ！
🌿 まずは情報を見るだけでも大丈夫です
「介護に戻ってみたいけど、いきなり応募するのは不安…」
そんな方は、まずどんな働き方や職場があるのかを見てみるところから始めてみませんか？
ジョブメドレーなら、登録するだけであなたの希望に合った訪問介護の求人が見つけやすくなります。
あなたの資格や経験を活かせる、無理のない働き方がきっと見つかるはずです。
一歩踏み出す準備は、見ることからでも十分です。
あなたにとってちょうどいい介護の働き方を、ゆっくり見つけていきましょう。
