Yahoo!ニュースで、こんな記事を目にしました。
「Z世代が介護職に抱く印象は「体力・精神的にキツそう」「給与が良くなさそう」などマイナスイメージ。調査で判明した介護業界の課題」
(出典:Yahoo!ニュース/介護ポストセブン)
Z世代(18~28歳)の多くが、介護職に対してマイナスのイメージを持っており、関心が薄いという内容でした。
記事のコメント欄にも、「若者が介護職を選ぶべきではない」といった声が多く寄せられていました。
確かにそうした一面はあります。
介護職の離職理由にも、「身体的・精神的な負担が大きい」「収入が少ない」といった声はよく挙がります。
──でも私は、それでもなお、介護職をおすすめしたいと思っています。
とくに、少しでも興味がある若い人には「やってみる価値がある」と強く感じています。
介護の現場では、「老い」「病」「死」など、普段の生活ではあまり触れない“人間のリアル”に直面します。
そうした現実に触れることで、「自分はどう生きていくのか」を自然に考えるようになります。
この経験は、若い時期にこそ得られるものが大きいと思っています。
ただし、自分をすり減らしてまで働く必要はありません。
過度なストレスを抱える環境や働き方は避けるべきですし、やりたいことがあるなら、それを優先することも大切です。

だからこそ私は、「訪問介護パート」という働き方を強くおすすめします。
私は20代から訪問介護の現場に入り、現在は訪問介護事業所を運営していますが、訪問介護は柔軟で負担が少なく、他の仕事や活動とも両立しやすい働き方です。
この記事では、Z世代の介護職へのイメージとその現実、介護職で得られる価値、そして私が勧める訪問介護パートという働き方までを紹介します。
「介護ってちょっと気になるかも」
そう思っている若い人に、なにか一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
若い人はなぜ介護職を敬遠するのか?Z世代のリアルな声

若い人は介護職を敬遠している人が多い
前述の調査によると、Z世代(18~28歳)の多くが、介護の仕事に対してネガティブなイメージを持っていることがわかります。
- 体力的・精神的にハードそう(47.5%)
- 給与や待遇があまり良くなさそう(33.5%)
- よく知らない(27.5%)
…
※(出典:Yahoo!ニュース/介護ポストセブン)
このように、仕事内容や待遇に対してマイナスの先入観を持つ若者が多い現状があります。
では、なぜそこまで介護職にネガティブな印象が持たれているのでしょうか?次に、コメント欄に寄せられた声から、その背景を見てみます。
若者は介護職を避けた方がいいという意見も多い
この記事に寄せられたコメント欄にも、やりがいのある仕事だと認めながらも、
- 「大変なうえに給料が安いという、まさにイメージ通りの仕事」
- 「若い人は他の仕事をすべき」
- 「やりたければ後からでも就職できる」
といった意見が多く寄せられていました。
確かに避けた方がいい面はあるが、全てそうとは限らない
アンケート結果やコメントを見て、「確かにそうだな」と思える部分もあります。
介護職の離職理由でも、「心身に負担が大きい」「収入が少ない」といった点はたびたび挙げられています。
ただし、この負担の多くは、介護そのものの本質というよりも、労働環境による部分が大きいのも事実です。
人手不足、人間関係、過重労働など、特に施設系の介護現場では、こうした要素が重なりやすくなります。
私は20代のときから始めて20年以上、訪問介護に携わってきましたが、そのような心身への大きな負担を感じることなく続けてこられました。
訪問介護でも、たしかに「人間関係」が離職理由になることはありますが、パート勤務だった頃は、そうしたストレスも感じる場面はほとんどありませんでした。
同じ介護でも、介護サービスの種別や雇用形態を選ぶことで、ストレスや負担はかなり軽減できます。

”無駄なストレス”というのは、全力で避けなければなりません。
人にはそれぞれ適性もある
「若いうちは別の仕事を選ぶべき」という意見も、確かに一理あります。
ですが、私自身が長く介護の仕事をしてきた経験から感じるのは、「人にはそれぞれ適性がある」ということです。
人と接することが好きな人、相手の感情に自然と寄り添える人、困っている人を見ると放っておけないタイプの人は、介護の仕事に向いていますし、そういう人にとっては充実感のある仕事になりやすいのです。

適性のあるなし、向き不向きによって、
仕事の大変さの感覚はずいぶん変わります。
若い人こそ介護職をやるべき理由とは?|私が「価値アリ」と断言する3つの理由

私は、「むしろ若い人こそ、介護職で得られるものが大きい」と強く感じています。
特に、介護現場を単なる“労働”としてではなく、人生経験の場として捉える視点がある人にとっては、計り知れない価値があります。
ここでは、私自身の経験から、若い人にこそおすすめしたい3つの理由をお伝えします。
1. 介護は、人間の“リアル”に触れる経験
介護の現場では、「老い」「病気」「死」など、日常生活の中では見えにくい“人間の本質”に向き合うことになります。
認知症で少しずつ「自分らしさ」を失っていく方。
病気や衰えで思うように体が動かなくなる方。
やがて訪れる“死”の現実。
そうした現実に直面するとき、自然と自分の将来を重ねて考えるようになります。
「自分もいつか、こうなるのかもしれない」
「じゃあ今、自分はどう生きるべきなんだろう?」
──そんな問いが、自分の中からわいてきます。
若いうちにこの問いに出会うことで、将来の見通しや人生観が深まっていく実感があります。

私が「若い人こそ得られるものが大きい」と思う理由のひとつです。
2. たくさんの「人生経験」に触れられる
もうひとつの魅力は、ご利用者の方々が語る「人生のストーリー」に触れられることです。
戦争を生き抜いた方、激動の時代に働き続けた方、家族を支えてきた方──
それぞれの人生には、私たちには想像もつかないような重みがあります。
特に訪問介護では、ご自宅で1対1の対応が中心になるため、じっくりとお話を伺う時間があります。
相手の人生に少しだけ寄り添い、話を聞くことで、自分自身の世界もどんどん広がっていきます。

私も20代の頃、たくさんの方から人生について学ばせていただきました。
👉 私の体験談はこちら:
訪問介護パートブログ|「人生の軸」が定まった日。Tさんとの忘れられない会話
3. 身近な人の力になれるスキルが身に付く
介護職で培われるのは、経験や考え方だけではありません。
将来、自分の家族や大切な人を支えるときにも役立つ、具体的なスキルが身に付きます。
いざ家族に介護が必要になったとき、多くの人は「どうしたらいいかわからない」と戸惑います。
でも、現場を経験していれば、そのとき“迷わず支えられる力”が自分の中にあることに気づきます。
介護の知識や技術は、いつか自分の人生の中でも役に立つ、“使えるスキル”です。

介護に触れる機会がなければ、なかなか「わからない」世界ですよね。
小まとめ
「介護=きつい・大変」というイメージが先行しがちですが、
その内側には、人としての深い学びや成長のチャンスがあります。
そしてそれは、まだ「老い」や「死」に距離のある若い人にとってこそ、
意味のある時間になるのではないか──私はそう思っています。
問題はその働き方。自分に合った「訪問介護パート」という選択

介護職で得られる経験や学びには大きな価値がある──
そうは言っても、働き方によっては心身をすり減らしてしまう現場もあるのが現実です。
どんなにやりがいがあっても、環境が合わなければ続けるのは難しい。
だからこそ大切なのは、「自分に合った働き方を選ぶこと」です。
その中でも私が強くおすすめしたいのが、柔軟な働き方が可能な「訪問介護パート」という選択です。
訪問介護パートという働き方
訪問介護とは、ご利用者のご自宅を訪問し、身体介護や生活援助などのサービスを提供する仕事です。
中でも「パート勤務」という形を取ることで、次のようなメリットがあります。
- 基本は一人での訪問なので、人間関係のストレスが少ない
- 週1回・1時間からでもOK。生活に合わせて仕事量を調整できる
- ご利用者と1対1で丁寧に関われる
- 施設介護と比べて身体的・精神的負担が少ない
- 夜勤がないのも大きなポイント

私自身、訪問介護パートの時期がいちばん働きやすかったです。
現代のライフスタイルと組み合わせやすい
働き方の比較 | 施設介護(常勤) | 訪問介護パート |
---|---|---|
働く時間帯 | シフト制・夜勤あり | 日中中心/夜勤ほぼなし |
勤務日数・時間 | 週5日フルタイム | 週1日1時間〜自由に調整 |
人間関係ストレス | 多職種で人間関係が密 | 基本ひとり行動で少なめ |
副業・兼業のしやすさ | 難しい(時間固定) | 可能(スキマ時間活用) |
ご利用者との関係性 | 多対多・短時間対応 | 1対1でじっくり関われる |
身体的負担 | 体力仕事が多い | 負担少なめ |
訪問介護パートの最大の魅力は、他の仕事や活動との相性がいいことです。
たとえば──
- 副業を始めたい
- 自分のペースで働きたい
- フリーランスとして活動しながら安定収入も得たい
こういった現代的なライフスタイルと「訪問介護パート」は、非常に相性が良いのです。
具体例:
- 訪問介護で安定収入を得ながら、Webデザインやライティングの副業に挑戦
- 副業の収入が軌道に乗ったら、介護の仕事を減らしてシフトチェンジ
- 逆に、必要に応じて介護の仕事を増やすことも可能
このように、自分の状況に合わせて調整しやすいのが、訪問介護パートの大きな強みです。
👉ダブルワークについてまとめた記事はこちら
ダブルワークの穴場!訪問介護パートが意外と両立しやすい5つの理由
介護の道を極めることもできる
そしてもし、介護の仕事が「合っている」「もっと関わりたい」と感じたなら──
そのままキャリアアップの道へ進むこともできます。
- 実務経験を積んでサービス提供責任者へ
- 介護保険の請求や、ケアマネージャーとの連携といった業務も担える
- ゆくゆくはケアマネ資格を取って活躍の場を広げることも可能
最初は「生活の一部」だった介護の仕事が、いつの間にか「本業」に育っていることもあります。
小まとめ
介護職にはやりがいがある──
でも、やみくもに飛び込むのではなく、「働き方」で選ぶべき時代です。
訪問介護パートという形なら、
あなたのライフスタイルや価値観に合った、無理のない介護のかたちが見つかるかもしれません。
まとめ:自分の人生を生きるために、介護職を活用しよう

「Z世代(18~28歳)は介護職を敬遠している割合が多い」というアンケート結果が、あるネットニュースで取り上げられていました。
「身体的・精神的にキツそう」「給与や待遇が良くなさそう」といったイメージが多く、
記事には「若い人は介護職を選ぶべきではない」といったコメントも目立ちました。
たしかに、そうしたネガティブな要素はあります。
ですが、それは介護そのものというより、労働環境による部分が大きいのです。
人手不足、人間関係のストレス、過重労働──特に施設系の介護現場では、それらの要因が重なりやすくなっています。

私の考えでは、介護職は「避けるべきもの」ではなく、得るものが非常に大きい仕事です。
介護を通して「人間のリアル」に触れ、多くの「人生経験」に出会うことは、
自分自身の「これからの生き方」を深く考えるきっかけになります。
ただし、自分をすり減らすような働き方は避けるべきです。
私がおすすめするのは、訪問介護パートという柔軟な働き方。
ライフスタイルに合わせやすく、無理なく続けられるのが魅力です。
もし、少しでも介護の仕事に興味があるなら、一度飛び込んでみる価値は十分にあると私は思います。
若い人が介護職に触れ、自分の人生をより充実させる──その手段として「介護」を活用してみてください。
💡訪問介護パートを始めてみたいと思った方へ
以下の記事も参考にしてみてください。