【経営者が解説】訪問介護パートの面接は少し違う！見られるポイントと働き方の実際

「訪問介護の面接って、施設とは何が違うんだろう？」

介護職の面接ではどんな職場でも“人柄”や“信頼感”が大切にされます。
けれど、訪問介護の面接では、その“信頼”の見られ方が少し違います。

施設介護がチームでの協調や勤務体制を重視するのに対し、
訪問介護では、利用者のご自宅に一人で伺っても、安心して任せられる人か──そんな「誠実さ」や「丁寧な姿勢」が評価されます。

こうした働き方だからこそ、自分のペースで無理なく働けるのも訪問介護パートの魅力。
一件ごとの訪問で、目の前の利用者さんにゆっくりと向き合える時間があります。

本記事では、訪問介護事業所を運営する経営者が、面接で見られるポイントと、柔軟に働ける“訪問介護パートのリアル”を解説します。

「負担を減らして長く続けたい」「もっと丁寧に関わりたい」──そんなあなたに、訪問介護という選択肢を知ってもらえたら嬉しいです。

では、実際の面接ではどんな点が見られているのでしょうか？
経営者の立場から、そのポイントをお伝えします。

訪問介護の面接は、施設介護とは少し見られるポイントが違います。
面接全体の流れやよく聞かれる質問を知りたい方は、
👉 介護職の面接完全ガイドもあわせてご覧ください。

目次非表示

訪問介護の面接は“人柄の伝わり方”が大切
よくある質問と答え方のコツ
志望動機の伝え方： “できること”より“どう関わりたいか”
面接で大切にしたい“信頼される姿勢”
まとめ ― “信頼される人”として第一歩を
- 🌿 次のステップへ
訪問介護パートという働き方 ― 無理なく続けられる介護の形
訪問介護パートの面接準備チェックリスト
- 📋 面接前に準備しておきたいもの
- 👕 面接当日の服装・身だしなみ
面接を通して伝えたい“信頼される姿勢”
- 面接当日に意識したい3つの印象ポイント
あなたに合った一歩を選ぼう
最後に ― “信頼される人”として第一歩を

訪問介護の面接は“人柄の伝わり方”が大切

訪問介護の面接では、まず「どんな人か」を見ています。
といっても、特別な受け答えや完璧な志望動機が求められるわけではありません。
面接官（多くはサービス提供責任者や管理者）は、
あなたが“どんな思いで介護に関わろうとしているのか”を知りたいのです。

訪問介護は、利用者のご自宅に一人で伺い、生活の一部をお手伝いする仕事。
だからこそ、言葉づかいや表情、身だしなみの中に「信頼される丁寧さ」があるかが大きなポイントになります。
技術よりも「この人なら安心してお願いできそう」という印象が重視されます。

山のごとし

訪問介護では、“どんな資格を持っているか”よりも、“どんなふうに人と関わろうとしているか”が伝わる面接が大事だと思います。
初めての方でも、素直に自分の気持ちを話してくれれば十分です。

よくある質問と答え方のコツ

訪問介護の面接では、現場の状況をイメージした質問が多く出ます。
「なぜ訪問介護を選んだのか」「どんな働き方を希望しているか」など、
あなたの生活との両立や考え方を知るための質問が中心です。

Q1：「週にどのくらい働けますか？」

この質問は、“どれくらい出勤できるか”を確認するだけでなく、
“どのように無理なく続けたいか”を知る意図も含まれています。

💡答え方のポイント

「子どもの送り迎えの合間で働きたい」「午前中中心に週3日くらい」など、具体的な生活リズムを伝えることで誠実さが伝わります。
訪問介護は一件ごとの訪問スケジュールなので、あなたのペースを考慮した働き方がしやすいのも特徴です。

山のごとし

ここでの希望をもとに採用後のスケジュールを組むので、無理に“多く働けます”と答える必要はありません。
実際の希望を素直に伝えてもらえれば大丈夫です。

Q2：「なぜ訪問介護を選んだのですか？」

この質問は、いわば“あなたの思い”を知るための入り口です。
「人と関わることが好き」「誰かの生活を支えたい」など、
シンプルな気持ちでも十分伝わります。

山のごとし

この質問で伝えきれなかった思いは、次の「志望動機の伝え方」でしっかり整理して伝えましょう。

💡まとめ

訪問介護の面接では、生活との両立や考え方を中心に聞かれる
正直に、具体的に答えることで“信頼される姿勢”が伝わる
面接官は完璧さより“誠実さ”を見ている

訪問介護の面接で聞かれる質問は、どれも「あなたの思い」や「続けやすい働き方」を知るためのものです。
完璧な答えを用意するよりも、自分の言葉で素直に話すことがいちばん大切。

では、面接でよく聞かれるもうひとつの質問──「志望動機は？」をどう伝えればよいのでしょうか。
次の章では、未経験の方でも安心して話せる例文とともに、“訪問介護パートならでは”の伝え方を紹介します。

志望動機の伝え方： “できること”より“どう関わりたいか”

訪問介護の面接では、「どんな思いで介護をしたいか」が一番のポイントです。
資格や経験よりも、“人の生活を支えたい”という気持ちが伝わるかどうか。

施設介護のように多くの職員と連携する職場では、チーム内での協調性が重視されますが、訪問介護では、利用者さんのご自宅に一人で伺うからこそ、「一人の利用者と丁寧に向き合う姿勢」が評価されます。

志望動機は、「自分の生活や経験から感じた思い」を言葉にするのがコツです。

例文1（未経験・家庭と両立したい方）

応募者

子育てを通して、人の生活を支える大切さを感じました。
介護の経験はありませんが、訪問介護なら家庭と両立しながら、一人ひとりと丁寧に関われると思い応募しました。

💡ポイント

“できる・できない”ではなく、“どんなふうに関わりたいか” を中心に置くことで、未経験でも前向きな印象を与えられます。

例文2（経験者・環境を変えたい方）

以前は施設で勤務していましたが、
もっと一人ひとりの生活に寄り添った支援をしたいと感じ、訪問介護を志望しました。
利用者さんと直接関わりながら、その方らしい暮らしを支えたいと思っています。

💡ポイント

“より丁寧に関わりたい”という価値観を示すことで、経験を活かしつつ“転職理由”もポジティブに伝わります。

NG例

面接では、「働きやすさ」だけを理由にしてしまうと、
“その仕事で何を大切にしたいのか”が伝わりにくくなります。
同じ考えでも、少し言葉を変えるだけで印象はぐっと変わります。

❌ NG例①： 「家が近いから選びました」
👉 通いやすさ は理由のひとつでもOKですが、地域への思いを添えると前向きです。
✅ 改善例： 「家の近くで、地域の方の力になれる仕事をしたいと思いました。」

❌ NG例②： 「体力的に楽そうだから」
👉 “無理なく続けたい”という意欲に置き換えると好印象。
✅ 改善例： 「長く続けられる働き方をしたくて、訪問介護パートを選びました。」

❌ NG例③： 「自分のペースで働けそうだから」
👉 “その中で何を大切にしたいか”を加えると、意欲が伝わります。
✅ 改善例： 「自分のペースで働ける環境の中で、一人ひとりの利用者さんに丁寧に関わりたいと思っています。」

💡ポイント

「働きやすさ」を理由にするのは悪いことではありません。
その“働きやすさの中で何を大事にしたいか”を一言添えるだけで、あなたの人柄や想いがしっかり伝わります。

山のごとし

訪問介護は、人の生活に直接関わる仕事です。
面接では“信頼できる人かどうか”を一番に見ていますが、完璧さは求めていません。
誠実に人と向き合える方なら、まずは現場で経験を積みながら成長していけます。
私たちは、そんな一歩を応援したいと思っています。

志望動機を伝えるときも、正解を探すより“自分の言葉”で話すことが大切です。
その素直さが、訪問介護では何より信頼につながります。

面接で大切にしたい“信頼される姿勢”

介護職の面接でネイビーのジャケットを着た男性応募者が、清潔感のある印象で面接官と向き合っている。

面接では、答えの上手さよりも、態度・言葉づかい・表情といった“人柄のにじみ出る部分”が見られています。
訪問介護は、利用者さんの生活空間に一歩踏み込む仕事。
そのため、「信頼できる人かどうか」は、面接の段階から自然と伝わっていくのです。

「何を話すか」も大切ですが、それ以上に大事なのは、「どう話すか」「どんな印象を与えるか」。
面接は、信頼を感じてもらう最初のステップです。

清潔感と礼儀が信頼につながる

第一印象は数秒で決まると言われます。
特に訪問介護では、家庭を訪ねる立場になるため、
「清潔感」と「礼儀正しさ」は何より大切です。

服装はシンプルで動きやすく、派手すぎない色を選ぶのが基本。
髪や爪を整え、柔らかい表情を心がけるだけでも印象は大きく変わります。

💡ポイント

服装や身だしなみは、“自分を良く見せる”ためではなく、「相手に安心してもらう」ためのもの。
その意識があるだけで、自然と丁寧な振る舞いになります。

面接時の服装イメージ

⚫︎訪問介護パート面接の服装例（男女）

女性：白やベージュのブラウス＋ネイビー・黒のパンツ
男性：淡いブルーまたは白のシャツ＋黒・グレーのスラックス
靴はスニーカーまたはローファー（清潔感重視）
アクセサリーや香水は控えめに

山のごとし

動きやすく、清潔で落ち着いた印象の服装が好印象。
フォーマルすぎる必要はなく、「きちんとして見えるカジュアル」で十分です。

⚫︎訪問介護・正社員面接の服装例（男女）

女性：白いブラウス＋ネイビージャケット＋黒・グレーのパンツまたはスカート
男性：白シャツ＋ダークジャケット＋ネクタイ（ネイビーまたはグレー）＋黒革靴
落ち着いた色味で統一し、姿勢と表情を意識

山のごとし

男性はネクタイを着用するとよりフォーマルな印象に。
事業所によってはノーネクタイでも問題ありませんが、清潔感を意識すればどちらも好印象です。

時間を守る・準備を整えることが基本

訪問介護では、時間を守ることが信頼の第一歩。
面接の時点から、その姿勢はしっかり見られています。

開始5〜10分前には到着できるよう余裕を持ち、
履歴書や資格証のコピーなどは事前に確認しておきましょう。

💡ポイント

「当日の準備＝信頼の準備」。
小さなことでも丁寧に整えておくと、「この人なら安心して任せられる」という印象につながります。
その意識があるだけで、自然と丁寧な振る舞いになります。

面接当日に意識したい「3つの印象ポイント」

1️⃣ 明るい挨拶
→ 第一声で印象が決まります。ハキハキとした声と笑顔で。

2️⃣ 相手の話をよく聞く
→ 話を途中で遮らず、うなずきながら聞く姿勢が誠実さを伝えます。

3️⃣ メモを取る姿勢
→ 重要な説明をメモに残すだけで、「丁寧な人」という印象に。

これらはすべて特別なスキルではなく、
“相手を尊重する姿勢”の表れです。

💡ポイント

訪問介護では、利用者さんも同じように“あなたの態度”を見ています。
面接で意識できれば、現場でも自然に信頼を得られる力になります。

山のごとし

訪問介護は“信頼”で成り立つ仕事です。
面接でも、その誠実さが伝われば十分。
言葉よりも、態度の中にある思いやりが、いちばんの評価ポイントです。

セクションまとめ

清潔感・時間厳守・丁寧な態度が“信頼される姿勢”の基本
面接官は「技術」より「誠実さ」を見ている
難しいことは不要。“この人なら安心できる”と思ってもらえればOK

まとめ ― “信頼される人”として第一歩を

訪問介護の面接で大切なのは、完璧な受け答えでも、立派な経歴でもありません。
「この人なら安心してお願いできそう」という、人としての信頼感です。

面接では、質問への答え方よりも、あなたの言葉のトーンや表情、そして姿勢の中にある“誠実さ”や“思いやり”が自然と伝わります。

訪問介護は、利用者さんの暮らしの中に入っていく仕事。
その日々を支えるのは、資格よりも、あなたの人柄そのものです。

山のごとし

経験よりも、“誰かの役に立ちたい”という気持ちを持っている方を、私たちは歓迎しています。
不安があっても大丈夫。誠実に人と向き合える方なら、現場で少しずつ成長していけます。

🌿 次のステップへ

訪問介護パートは、
「無理なく働きながら、誰かの生活を支える」ことができる仕事です。
ここまでで、面接の流れや心構えがつかめたら、
次の記事では実際の働き方や準備を見ていきましょう。

次の記事で紹介

訪問介護パートの働き方とやりがい
面接準備リスト（服装・持ち物・時間調整）
訪問介護パート求人リンク・資格資料請求

“信頼される人”としての一歩を、
あなたのペースで始めてみてください。

訪問介護パートという働き方 ― 無理なく続けられる介護の形

訪問介護パートは、介護職の中でも自分のペースで働きやすい形態です。
施設勤務のように一度に複数の利用者へ対応するのではなく、利用者一人ひとりのご自宅を訪問し、生活支援や身体介助を行います。

勤務時間は短時間から選べる場合が多く、「家庭や副業、体調と両立しながら、無理のない範囲で働きたい」という人にも向いています。

仕事内容は、掃除・調理・買い物同行などの日常支援から、入浴介助・服薬介助といった身体介助までさまざまです。
勤務先によって担当内容は異なりますが、いずれも利用者の生活を支える重要な役割を担います。

🔗 関連リンク：
👉訪問介護の楽しさとやりがいとは？
訪問介護で働く人たちの体験談や、“この仕事ならではの喜び”を紹介しています。

一人ひとりとじっくり関われる“1対1の介護”

訪問介護の特徴は、利用者と1対1で向き合える時間が長いことです。
施設介護では複数の職員でチームを組んで支援しますが、訪問介護は原則として一人で利用者宅を訪問し、必要な援助を行います。

そのため、利用者の生活習慣や好みに合わせたきめ細かな支援が可能です。
「その方らしい暮らし」を尊重しながら支援することで、小さな変化にも気づきやすく、日々の信頼関係が深まります。

また、訪問介護は一度に多くの業務をこなす必要がないため、体力的・精神的な負担を軽減しながら働ける点も魅力です。

山のごとし

訪問介護は、利用者の“生活”そのものを支える仕事です。
直接『ありがとう』と言ってもらえる場面が多く、一人の方と丁寧に関わることで、自分自身も多くを学べる職場だと思います。

💡ほかにも訪問介護パートのメリットはあります

人間関係に疲れにくい「1人で完結する仕事」
自分のペースで動けて意外と疲れにくい
1対1の関わりの中で、利用者の人生や考え方に触れ、自分自身も成長できる

🔗 さらに詳しく：
👉訪問介護のメリット・働く魅力まとめ

初任者研修から始められる ― 未経験でも安心のステップ

訪問介護パートとして働くには、 初任者研修（旧ホームヘルパー2級相当） が必須の事業所がほとんどです。
この研修を修了することで、基本的な知識・技術を身につけた状態で現場に出ることができます。

初任者研修の主な内容には、以下があります：

介護の基本知識（高齢者の特性、介護過程など）
身体介護技術（移乗・清拭・着替え補助・排せつ介助など）
生活援助技術（掃除・調理・洗濯・買い物代行など）
介護倫理・コミュニケーション・安全管理など

このようなカリキュラムを通して、未経験の方も基礎を学んでから現場に入ることができるため、安心してスタートできます。
また、多くの自治体や通信制度、受講支援制度が用意されており、費用や通学負担を軽減できるケースもあります。

🔗 関連リンク：
👉訪問介護に関する資格と制度
各種資格（初任者研修・実務者研修・介護福祉士など）の違いや、取得のステップを詳しく解説しています。

働き方のリアル ― 1日のスケジュール例と実情

実際に訪問介護パートとして働くと、どのような1日を過ごすことになるのでしょうか。
以下はモデルケースと実例から見た流れです。

🕗 モデルケース：1日4件訪問の場合

時間帯	内容
9:30	自宅または直行でAさん宅へ移動・到着
9:30〜10:00	排泄・更衣介助などの身体支援
10:00〜10:30	移動
10:30〜11:30	Bさん宅で掃除・買物同行など生活援助
11:30〜12:30	昼休憩（自宅・飲食店などで休息）
12:30〜13:00	移動
13:00〜14:00	Cさん宅で買物支援・外出支援など
14:00〜14:30	移動
14:30〜15:30	Dさん宅で入浴介助など身体支援
15:30	直帰または報告書記入・翌日の準備

※事業所や地域、利用者の支援内容により時間帯・件数は異なります。
※直行直帰を採用している場合も多く、通勤時間を抑えて働けます。

🔗 関連リンク：
👉訪問介護パートの1日ってどんな感じ？3つの働き方パターンで解説
訪問介護パートの具体的な一日のスケジュールを解説しています。

📈 実情：勤務件数の目安と働き方パターン

訪問介護パートの1日の訪問件数は、働き方のスタイルによって異なります。
例として以下の目安が挙げられています：

フルタイム型：4〜5件程度
両立型（育児・家事・副業併用）：2〜3件程度
ゆるく働く型：1〜2件程度

このように、生活スタイルに合わせて調整できる柔軟性が、訪問介護パートの魅力の一つです。

🔗 関連リンク：
👉訪問介護パートは1日何件？働き方別の目安と収入
働き方別の件数目安と効率的な働き方について詳しく解説しています。

よくある志望動機NG例（やさしい注意つき）

訪問介護パートの面接では、「なぜ訪問介護を選んだのか」がよく聞かれます。
このときに注意したいのが、働きやすさだけを理由にしてしまうパターンです。

「家庭と両立しやすそう」「短時間で働けそう」という考えはもちろん大切ですが、
それだけでは“訪問介護を選んだ意欲”が伝わりにくくなります。
少し言い方を変えるだけで、ぐっと印象が良くなります。

🌼 よくあるNG例と改善例

❌ NG例	✅ 改善例
家が近いから選びました。	家の近くで、地域の方の力になれる仕事をしたいと思いました。
時間の融通が利きそうだから。	家庭と両立しながら、介護の仕事を続けていける働き方をしたいと思いました。
体力的に楽そうだから。	長く続けられる働き方を選びたくて、訪問介護を考えました。
一人で働けるほうが気楽だから。	利用者さんと1対1で関わりながら、落ち着いた環境で支援できると思いました。