訪問介護のパートに興味はあるけれど、「実際どれくらい稼げるのか?」と気になっていませんか?
訪問介護パートの給料は、働く日数や時間帯によって大きく変わります。この記事では、3タイプの働き方モデルを想定し、私が経営する訪問介護事業所の給与体系をもとに、具体的な月収・手取り金額をシミュレーションしていきます。
介護職全体の給与水準は、全産業平均と比べて低めで、今後も大幅な賃金上昇は期待しにくいのが現状です。しかし、働き方や手当の工夫次第で収入をアップさせる方法もあります。この記事を読めば、訪問介護パートでの収入の目安や、効率的に稼ぐポイントがわかります。
※長文記事なので、必要に応じてリンク先まで飛ばしてお読みください
訪問介護員(ホームヘルパー)の給料相場

まずは訪問介護の給料相場を見ていきます。
パートと正社員の給料が平均でどれくらいか、勤続年数や保有資格による昇給、施設介護との比較、都道府県別の平均年収などを見ていくことで、全体の”相場感”が掴めてきます。
訪問介護パートは、ライフスタイルに合わせた働き方ができ、それに応じて収入も変動します。
ここではあくまで平均値として参考にしてください。
パート(非常勤)の給料・手取り
| 項目 | 給料額 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 平均基本給 | 時給1,380円 | ― |
| 平均月収 | 117,560円 | 約88,000円〜100,000円前後 |
| 平均年収 | 1,410,720円 | 約1,058,000円〜1,200,000円前後 |
※出典:令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果(非常勤訪問介護員のデータを使用)
※月収は「月給+手当・一時金を含む平均値」をベースに算出
※年収は「平均月収 × 12」で単純計算
※手取り額は「所得税・住民税・社会保険料」を概算で控除した目安(扶養状況や自治体により変動あり)
※全国平均のデータであり、地域や事業所ごとの違いが大きい点に注意
この調査結果から見ると、訪問介護パート(非常勤訪問介護員)の平均時給は約1,380円で、月収にするとおよそ11万7,000円、年収ベースでは約141万円となっています。
実際に手取りとして受け取れる金額は、税金や社会保険料が差し引かれるため、月に9万円前後、年間では100万円前後になるのが一般的です。
もちろん、これはあくまで全国平均の数値であり、地域や事業所によって大きな差があります。都市部では時給1,600円以上の求人も珍しくない一方、地方では1,200円前後にとどまるケースもあります。さらに、勤務時間やシフトの入り方によって月収は大きく変動します。

つまり、訪問介護パートは「どれくらいシフトに入れるか」「どの地域・事業所で働くか」によって収入が大きく変わる働き方だといえます。
正社員(常勤)の給料・手取り
| 項目 | 給料額 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 平均月収 | 349,740円 | 約270,000円〜300,000円前後 |
| 平均年収 | 4,196,880円 | 約3,240,000円〜3,600,000円前後 |
※「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)」の 訪問介護員(常勤) のデータをもとに作成。
※月収は「月給+手当・一時金を含む平均値」をベースに算出
※平均年収は「月収 × 12か月」として計算。
※手取りは、社会保険料や税金(所得税・住民税など)を概算した一般的な目安であり、個々の状況によって変動します。
※本データは 全国平均 であり、地域や事業所の規模によって差があります。
訪問介護員として正社員(常勤)で働いた場合、平均月収は約34.9万円、手取りは27万円〜30万円前後となっています。
年収に換算すると約420万円ですが、社会保険料や税金を差し引いた実際の手取りは約324万円〜360万円前後となるのが一般的です。
パートと比べると収入は安定して高いですが、家族を養っていくには心もとない水準と言わざるを得ません。

給料は上がるものの、シフトや業務内容の責任が増える傾向があり、柔軟な働き方はしにくいと言えます。
勤続年数、資格による平均月収の違い

勤続年数や、保有資格によって月収がどう変わるかを見ていきます。
多少の収入アップはあるものの、そこまで大きくは変わらないというのが実情です。
パート(非常勤)の場合
| 区分 | 平均月収 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 勤続年数 1〜4年 | 約114,580円 | 約88,000〜95,000円 |
| 勤続年数 5〜9年 | 約123,180円 | 約95,000〜102,000円 |
| 勤続年数 10年以上 | 約115,870円 | 約90,000〜96,000円 |
| 保有資格(例) | 月額1,000〜10,000円程度の資格手当が加算可能 | — |
ポイント
- 勤続年数が増えても大幅な昇給は期待しにくい。
- 事業所によっては勤続年数に応じて昇給制度がある場合もある。
- 資格手当を取得すれば、少額ながら収入アップが可能。
正社員(常勤)の場合
勤続年数ごとの平均月収・手取り(正社員)
| 区分 | 平均月収 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 勤続年数 1〜4年 | 約329,230円 | 約260,000〜275,000円 |
| 勤続年数 5〜9年 | 約361,920円 | 約285,000〜300,000円 |
| 勤続年数 10年以上 | 約357,160円 | 約282,000〜297,000円 |
資格別の平均月収・手取り(正社員)
| 資格 | 平均月収 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 初任者研修 | 338,670円 | 約265,000円 |
| 実務者研修 | 348,020円 | 約272,000円 |
| 介護福祉士 | 355,790円 | 約278,000円 |
| ケアマネジャー | 391,040円 | 約305,000円 |
ポイント
- 勤続年数の増加に伴い、パートよりも給料は高め。
- 資格取得で手当が加算され、収入アップが見込める。
訪問介護と施設介護の給料の違い

パート(非常勤)の時給の比較
| 施設形態 | 平均時給(非常勤) |
|---|---|
| 訪問介護 | 1,380円 |
| 特別養護老人ホーム | 1,130円 |
| 介護老人保健施設 | 1,110円 |
| グループホーム | 1,060円 |
訪問介護パートの平均時給は 1,380円 と、他の介護施設と比べて高い水準にあります。
特養(特別養護老人ホーム)の1,130円、老健(介護老人保健施設)の1,110円、グループホームの1,060円と比較しても、訪問介護の方が 200円以上高い のが特徴です。
これは、訪問介護では一対一で利用者さんと接するため専門性や責任が大きく、その分時給が高めに設定されているためです。
一方で、移動時間や件数によって勤務時間が区切られやすい点もあり、「時給は高いが安定した長時間勤務には向きにくい」という特徴もあります。
そのため、短時間で効率よく働きたい人に訪問介護パートは向いているといえます。
正社員(常勤)の月収の比較
| 施設形態 | 平均月収 | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 349,740円 | 約270,000円 |
| 特別養護老人ホーム | 361,860円 | 約280,000円 |
| 介護老人保健施設 | 352,900円 | 約275,000円 |
| グループホーム | 302,010円 | 約235,000円 |
訪問介護の正社員(常勤)は、平均月収 約34.9万円、手取りは概算で 約27万円 となっています。
特養や老健の月収と比べると大きな差はありませんが、グループホームは少し低めです。
施設によって給与体系や手当の内容が異なるため、月収だけでなく 手取りの実感 も重要です。
訪問介護はパート・常勤ともに時給・月収のバランスが比較的良く、柔軟に働きながら収入を得やすい特徴があります。
訪問介護員(ホームヘルパー)の都道府県別の平均年収

訪問介護員(ホームヘルパー)の平均年収は、地域によって大きな差があります。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、正社員の訪問介護員の年収は以下のようになっています。
| 都道府県 | 平均年収(正社員) | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 全国平均 | 3,812,000円 | 約300万〜315万円 |
| 北海道 | 3,362,000円 | 約265万〜275万円 |
| 宮城県 | 3,385,000円 | 約267万〜277万円 |
| 東京都 | 4,693,000円 | 約370万〜385万円 |
| 愛知県 | 3,828,000円 | 約302万〜317万円 |
| 大阪府 | 3,794,000円 | 約299万〜314万円 |
| 福岡県 | 4,204,000円 | 約332万〜345万円 |
- 全国平均は約381万円ですが、地域によって大きく差があります。東京都は約469万円と高く、北海道や宮城県は330万円台と低めです。
- この地域差は、物価や賃金水準、事業所の給与方針などが影響しています。
パート・非常勤の場合
- パート・非常勤でも地域差はほぼ同じ傾向にあります。
- 東京や福岡では時給や手当が高めに設定される傾向があり、北海道や東北地方ではやや低めです。
- 地域差を意識して勤務先を選ぶことで、収入面の工夫が可能です。
出典: 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」
ここまでをまとめると、次のようになります。
- パートは平均時給1,380円(月収は働き方により変動) ※全国平均
- 正社員は平均月収349,740円、平均年収4,196,880円 ※全国平均
- 勤続年数や保有資格により給料は多少上がるが、大きくは変わらない
- 訪問介護の方が施設より時給は200円以上高い
- 都市部の方が給料は高くなる
訪問介護パートの給与体系とは?

ここからは、訪問介護パートの給料の内訳について見ていきます。
訪問介護パートの給料は、「時給制+手当」で成り立っていますが、事業所によってルールや金額の差があるのが実情です。
ただし、基本的な仕組みはどこもほぼ共通しています。
以下のような要素で収入が構成されることが一般的です。
- 時給単価(身体介護・生活援助・早朝・夜間など)
- 各種手当(処遇改善手当・資格手当・移動手当など)
- 交通費の支給
- その他の補填(キャンセル手当、有給休暇など)
また、都市部の方が時給が高い傾向があるのも特徴のひとつです。
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
時給単価(身体介護・生活援助・早朝・夜間など)について
訪問介護のパート時給は、主に以下のように分かれています。
- 身体介護:1時間あたり 1,600円〜2,000円
食事介助、排泄介助、入浴介助など身体に直接関わるケアです。
生活援助より専門性が高く、時給も高めに設定されています。 - 生活援助:1時間あたり 1,200円〜1,400円
掃除、洗濯、買い物、調理などの日常生活の支援が中心です。
加えて、次のような割増賃金が支給されることも多くあります。
- 土日祝の訪問:+100円〜300円(1回あたり or 1時間あたり)
- 早朝(6:00〜8:00)・夜間(18:00〜22:00):時給の25%割増

割増の条件や金額は事業所によって異なりますが、
うまく組み合わせると高時給になることもありますよ!
各種手当(資格手当、処遇改善手当、移動手当など)について
訪問介護パートでは、時給以外にもさまざまな手当が支給されることがあります。主なものを紹介します。
■ 資格手当
- 支給対象:介護福祉士などの有資格者
- 支給額の例:
- 月額で 3,000円前後
- または 時給+50円程度 - ※資格手当の有無や金額は、事業所により異なります。
■ 処遇改善手当(処遇改善加算)
- 概要:国から事業所に支給される「処遇改善加算」を、職員に分配したもの。
- 支給方法の例:
- 時給に含まれている
- 毎月の手当として支給
- ボーナス(賞与)として年数回支給
- 勤続年数に応じた昇給の形で反映 - おおよその増加割合:基本給の 約2〜2.5% 増し程度
- ※支給形式は事業所によって大きく異なりますので、要確認。
■ 移動手当
- 対象:訪問先と訪問先の間を移動した時間・距離に対して支給
- 支給額の例:
- 1訪問ごとに 200〜400円程度
- または 移動時間分の時給を支給 - ※中には「移動手当を設けず、時給を高めに設定」している事業所もあります。
- ※この記事では、主に東京都心部・自転車移動を前提としたモデルをご紹介しています。
地方の事業所では車移動が主となり、移動手当やガソリン代の支給など異なる点があります。

手当として支給されなくても、時給に含まれていたり、
条件付きで支給されたりと、事業所によって支給の仕方は様々です。
お給料の総額で比べてみるのが良いですね!
交通費の支給について
訪問介護のパート勤務では、ご自宅から最初の訪問先、または最後の訪問先から自宅への通勤にかかる交通費が支給されることがあります。
ただし、交通費の支給方法や上限は事業所によって大きく異なるため、事前の確認が必要です。
■ よくある支給パターン
- 実費支給(上限あり)
例:1日500円まで/月上限10,000円など - 1日あたりの定額支給
例:1日一律300円など - 交通費なし(時給に上乗せしている)
→ 通勤費を含めた給与設計をしている事業所もあります。

私の事業所(東京都心・自転車移動)では、公共交通機関を使う方には実費で交通費が支給され、自転車通勤の方には交通費の支給はありません(移動手当は別途支給されています)。
通勤にかかるコストは、地域や移動手段によって大きく異なるので、応募時に確認しておくと安心です。
その他の補填(キャンセル手当、有給休暇など)
■キャンセル手当について
利用者側の都合や体調不良などで、当日キャンセルになることも少なくありません。
キャンセル時の対応例:
- 当日キャンセルで全額保証(1時間分の時給を支給)
- 一部保証(例えば半額支給など)
- 直前キャンセルのみ対象(2時間以内など)
事業所によって差があるため、キャンセル手当の有無と条件は要チェックです。

私の事業所では、当日にキャンセルになった場合は、
理由を問わず一律1,000円を支給しています。
■有給休暇について
パート勤務でも、週の所定労働日数に応じて有給休暇は法的に付与されます。
例えば:
- 週3日勤務 → 年間5日〜7日程度
- 取得は原則事前申請が必要(急病などは例外あり)
事業所によっては「有給取得を促進する」制度が整っているところもあり、働きやすさに関わるポイントの一つです。

事業所としては、お休みに加えて給与も支給するので大変なのですが、
法律に定められた「権利」ですので、活用してもらえればと思います!
このように、交通費やキャンセル手当、有給などは「時給」以外の大事な補填ポイントです。
きちんと制度が整っているかどうかで、同じ勤務時間でも実質的な収入や働きやすさが大きく変わってきます。

私の事業所の場合は、時給単価は介護報酬の単位数に連動させています。
60分の訪問の場合の単価と給与体系は次のようになっています。
- 時給単価(身体介護・生活援助・早朝・夜間など)
→身体介護60分 2,100円
→生活援助60分 1,150円
→土曜・祝日(+100円)、日曜(+300円)
→早朝・夜間 25%割増 - 各種手当(処遇改善手当・資格手当・移動手当など)
→処遇改善手当 時給単価の7%程度
→資格手当 介護福祉士 +1,000円
→移動手当 1件につき100円
→勤続手当 〜3年目(時給単価の+3%)、4〜6年目(+6%)、7年目〜(+9%) - 交通費の支給
→実費支給 - その他の補填(キャンセル手当、有給休暇など)
→当日キャンセル 1,000円支給
→有給休暇 有り
月収モデル3パターン試算

次に、具体的に月収がいくらになるのか、3つのモデルケースに、私の事業所の給与体系を当てはめて試算していきたいと思います。
※東京都心部、自転車移動の場合です。
※表示金額は「手当込みの支給額の目安」です。
※実際の給与体系(時給計算/件数単位など)は事業所により異なります。
注意点として、訪問先のご利用者様が、用事や体調不良などでお仕事がキャンセルになったり、施設入所や入院などの理由でお仕事が終了になるなどにより、収入額は変動する場合があります。
💰 月収モデル試算【まとめ】
| モデル | 働き方の特徴 | 総支給額 | 控除後手取り |
|---|---|---|---|
| モデルA | 週2日・午前中のみ・平日のみ | 約34,200円 | 約34,200円(控除なし) |
| モデルB | 週4日・午後〜夜間・土日含む | 約106,250円 | 約105,530円(所得税控除あり) |
| モデルC | 週5日・日中しっかり・平日のみ | 約216,300万円 | 約179,100万円(社保・雇保・所得税控除後) |

訪問介護パートは、「働く時間帯」や「どれくらい働くか」を自由に決めることができます。
【モデルA】週2日、1日2件(午前中のみ、平日のみ)
「午前中だけ少し働きたい」という方向けのゆるやかモデル。
🕒 スケジュール例
- 9:00〜10:00 身体介護(排泄介助、更衣介助) → 2,400円
- 10:30〜11:30 生活援助(買物代行、掃除) → 1,400円
💰 1日合計:3,800円
📆 月に9日勤務として
総支給額:3,800円 × 9日 = 34,200円(控除なし)

少しだけ収入を得たい方や、子育て、介護中の方、
社会とのつながりを持って健康を保ちたい、という方にも!
【モデルB】週4日、1日3件(午後から夕方まで、土日含む)
午後〜夕方にかけて働きたい方、割増のある土日や夜間も含む効率重視モデル。
🕒 スケジュール例
- 15:30〜16:30 生活援助(洗濯、買物代行) → 1,400円
- 17:00〜17:30 身体介護(排泄介助)30分 → 1,500円
- 18:00〜19:00 身体介護(入浴介助)夜間 → 2,950円(夜間割増)
💰 平日合計:5,850円/日 × 9日 = 52,650円
💰 土曜合計:6,150円/日 × 4日 = 24,600円
(100円×3件の土曜割増)
💰 日曜合計:6,750円/日 × 4日 = 27,000円
(300円×3件の日曜割増)
総支給額:約106,250円
所得税概算:約720円
→ 手取り:105,530円

土日や、夜間の割増をうまく組み合わせると効率よく稼ぐことができますよ!
副業と両立したい方、夢を追っている方の働き方としてもおすすめです。
【モデルC】週5日、1日6件(日中しっかり、平日のみ)
しっかり働いて安定収入を得たい方向けのフルタイム型モデル。
社会保険・雇用保険の加入ラインを超えるケースです。
🕒 スケジュール例
- 8:30~9:00 身体介護(デイサービス送り出し)30分 → 1,500円
- 9:30~10:30 生活援助(掃除など)60分 → 1,400円
- 11:00~12:00 生活援助(洗濯など)60分 → 1,400円
- 13:00~14:00 身体生活(排泄介助、買物代行など)60分 → 1,800円
- 14:30~16:00 身体生活(入浴、掃除など)90分 → 2,700円
- 16:30~17:00 身体介護(排泄介助)30分 → 1,500円
💰 1日合計:10,300円
📆 月21日勤務として
基本報酬:
10,300円 × 21日 = 216,300円
居住支援特別手当(東京都):月20,000円
👉 東京都内で条件(月に80時間以上勤務する等)を満たす場合に支給される補助金。
総支給額:236,300円
🔻 控除目安(2025年現在)
| 項目 | 控除額(概算) |
|---|---|
| 健康保険 | 約12,000円 |
| 厚生年金 | 約22,000円 |
| 雇用保険 | 約1,190円 |
| 所得税 | 約4,700円 |
| 控除合計 | 約39,890円 |
| 👉 手取り | 約196,410円 |

訪問介護の仕事が合うという方は、収入を伸ばして行くのもOK!
正社員として働いた場合の収入は?

正社員(常勤ヘルパー)として働く場合、冒頭で見た都道府県別の平均年収では、東京都は469.3万円。
そこから月収、手取りを計算すると表のようになります。
これは、処遇改善手当や資格手当、居住支援特別手当などを含む額です。
東京都・常勤ホームヘルパーの平均収入(概算)
| 区分 | 額面(平均) | 手取り(概算) |
|---|---|---|
| 月収 | 約391,000円 | 約310,000〜320,000円 |
| 年収 | 約4,693,000円 | 約3,700,000〜3,850,000円 |
- 安定した収入を得たい
- 雇用保険・社会保険をしっかりと備えたい
- キャリアアップを目指したい
といった目的がある方にとっては、正社員(常勤ヘルパー)という選択肢も検討の余地があるかもしれません。

確かに収入は増え、安定はするかもしれませんが、
個人的には、働き方の柔軟性が失われる、
というデメリットの方を強く感じてしまいます。
サービス提供責任者(サ責)の場合
さらにキャリアアップとして「サービス提供責任者(サ責)」になると、月収がアップするケースが多いです。
勤務時間は長くなる傾向がありますが、役職手当や業務手当などが支給されるため、安定して長く働きたい方には選択肢の一つです。

サービス提供責任者の業務は、直接のサービス以外の部分も全体的に見ていくことになるのでなかなか大変です。
その分、得られる経験も多く、より深く介護の仕事に関わりたい、という場合にはおすすめできます。
訪問介護員とサービス提供責任者の違い
訪問介護員(ホームヘルパー)は、ご利用者の自宅で入浴・排泄・食事などの身体介護や掃除・洗濯・買い物などの生活援助を直接行う仕事です。
一方、サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護員の指導・管理や訪問計画の作成、ご利用者や家族との調整、契約管理など幅広い業務を担います。経験や資格(介護福祉士+サ責研修)が必要な場合が多く、給与も訪問介護員より高めに設定されることが一般的です。
つまり、訪問介護員は「現場で直接支援する役割」、サービス提供責任者は「現場をまとめて管理・調整する役割」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
「正社員」より「パート」をおすすめする理由

私は訪問介護パートとして働き始め、その後サービス提供責任者、介護事業所の運営をしながら、20年以上訪問の現場に立ち続けています。
その経験を踏まえると、結論として 「正社員」よりも「パート」の方がおすすめできます。
最大のメリットは「働き方の柔軟さ」と「ストレスの少なさ」
介護職と聞くと、「肉体的にも精神的にもハードそう」というイメージを持つ人は多いでしょう。
確かに、特別養護老人ホームや訪問介護のサービス提供責任者などは、そういった大変さが伴うことがあります。
しかし、訪問介護“パート”という働き方は、それらのデメリットを回避しやすい特徴があります。
- シフトの自由度が高い
訪問介護パートは、自分のライフスタイルに合わせて働き方を調整しやすいのが大きな魅力です。
子育てや家庭の予定に合わせてシフトを入れられるため、「午前だけ」「週3回だけ」といった柔軟な働き方が可能です。無理のない働き方ができるので、長く続けやすいというメリットがあります。 - 人間関係のストレスが少ない「単独行動」
訪問介護は1対1での仕事が基本。職場の人間関係や派閥に巻き込まれることが少なく、精神的に疲れにくいのが特徴です。 - 一件ごとの訪問時間が短く、疲労感が少ない
訪問介護は1回のケアが数十分〜1時間程度のことが多く、施設のように長時間立ちっぱなしで働く必要がありません。体への負担が抑えられ、意外と疲れにくい働き方ができます。

訪問介護パートの働き方の最大の魅力は、無駄なストレスを避けられるところです!
正社員になると、勤務時間の拘束が増えたり、事務所での業務や会議で人間関係のストレスも増えてしまい、せっかくのメリットが薄れてしまいます。
訪問介護パートのメリットについて詳しくはこちら
責任の重さに対して給料が少ない
特にサービス提供責任者(サ責)になると、責任が一気に重くなります。
サ責は、ヘルパーの指導・管理、訪問計画の作成、ご利用者やご家族との調整、契約管理など幅広い業務を担います。さらに、ヘルパーが休む際の調整や、現場で問題が起きたときの対応も求められます。
しかし、その責任の大きさに比べて、給料は決して高いとは言えません。
「頑張りに見合っていない」と感じる場面も少なくないのです。
その点、パートであれば責任は限定され、シフトの融通も利きやすいため、心身の負担を抑えながら働けます。さらに、副業やスキルアップと両立することで、将来的にトータルの収入を増やすことも可能です。

「責任を重く背負うより、パートで軽やかに働きながら自分の可能性を広げていく」──これは訪問介護という働き方の最適解の一つだと思います。
訪問介護の給料は今後上がる?

介護職全般に言えることですが、給料の現状は以下のとおりです。
- 全産業平均を大きく下回っている
- 大幅に上がる見込みは少ない
- 今後もこの傾向は大きくは変わらない
介護職の賃金は、介護保険制度に基づく報酬から決まるため、事業所の努力だけで大きく上げるのは難しいのが実情です。もちろん、国の施策により処遇改善加算などで少しずつ改善はされていますが、「一気に高収入になる」という状況は考えにくいでしょう。
介護職の給料の仕組みや今後の見通しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉【低賃金なのはなぜ?】介護職の給料安すぎる問題|収入を上げるために今やるべきこと
訪問介護パートの給料を上げる6つの工夫

給料が今後も上がっていかないという大きな流れを変えることは難しい──ならば、私たちは「自分ができること」にフォーカスしなければなりません。
ここでは、訪問介護パートが給料をアップするための工夫を6つ紹介します。
- 資格を取得する
介護福祉士やケアマネジャーなどの資格で手当・給与アップ。スキルの証明としても評価されます。 - キャリアアップする
サービス提供責任者や管理者を目指すことで、基本給・手当が増え、キャリア形成にもつながります。 - 割増手当を活用する
早朝(〜8:00)、夜間(18:00〜)、土日祝の訪問で割増手当。シフト調整で収入を上げられます。 - 勤続年数を積み上げる
長期勤務により昇給の可能性あり。安定的な収入アップの土台になります。 - 転職を考える
給与・手当に不満がある場合は環境を変えるのも選択肢。人手不足の業界なので待遇改善が進んでいる職場も多いです。 - 副業を伸ばす
訪問介護パートは負担が少なく副業と両立しやすい。育てれば介護の収入を超える可能性もあり、人生の選択肢が広がります。

「訪問介護パート」×「副業」で収入の最大化を目指すのが私のイチオシです!
訪問介護パートの給料に関してよくある質問

Q1. 訪問介護パートの給料はどのくらいですか?
A. 全国平均では、時給は約1,380円、月収は8万〜12万円前後が一般的です。働く時間数によって大きく変わるため、自分のライフスタイルに合わせた収入調整がしやすいのが特徴です。
Q2. 手取りはどのくらいになりますか?
A. 月収10万円の場合、社会保険に加入していないケースが多く、引かれるのは所得税程度です。そのため手取りはほぼ同額に近くなります。扶養内で働きたい方にも向いています。
Q3. パートでもボーナスはもらえますか?
A. 基本的にはボーナスはありませんが、事業所によっては寸志や処遇改善加算の分配金として支給されるケースがあります。求人や面接時に確認すると安心です。
Q4. 昇給はありますか?
A. 非常勤・パートは時給制が多いため、勤続年数による大幅な昇給は期待しにくいのが現実です。ただし、資格手当や処遇改善加算の反映によって時給が上がる場合もあります。
Q5. 訪問介護パートは施設介護パートより稼げますか?
A. はい。訪問介護の時給は全国平均で約1,380円と、施設系(1,060〜1,130円程度)より高めです。ただし移動時間の扱い方など、事業所によって収入の差が出やすいので注意が必要です。
Q6. 副業との両立は可能ですか?
A. 訪問介護パートはシフトの自由度が高いため、副業との相性が良い働き方です。実際に「平日は訪問介護、休日や夜間に副業」という形で収入を組み合わせている人も多いです。
訪問介護事業所へ就職・転職する際にチェックしたいこと

訪問介護の仕事は、事業所によって働きやすさや収入に大きな差があります。長く続けられる職場を選ぶために、以下のポイントを確認しておきましょう。
① 時給・手当の内訳
同じ「時給1,380円」でも、移動時間の扱いやキャンセル時の保証などで実際の収入は変わります。求人票だけでなく、面接時に「移動時間は給与に含まれるのか」「処遇改善加算はどう支給されるのか」を確認しましょう。

給与の形態は事業所によって様々なので、トータルの金額で見て比較しましょう!
② シフトの柔軟性
扶養内で働きたい、子育てと両立したいなど、自分のライフスタイルに合った勤務が可能かどうかは重要です。急な休みに対応してくれる体制があるかどうかもチェックポイントです。
③ 研修・サポート体制
未経験やブランクがある場合は、同行研修や定期的なフォローがある事業所が安心です。研修制度が整っている事業所は定着率も高い傾向にあります。
④ 人間関係と雰囲気
訪問介護は基本的に一人で動きますが、事業所の管理者やサ責との関係が働きやすさに直結します。面接時の雰囲気や、事務所内の空気感も見ておくと良いでしょう。
⑤ 資格取得やキャリアアップの支援
資格手当の有無だけでなく、介護福祉士や実務者研修などの取得をサポートしてくれる制度があるかどうかも確認しておくと、将来的な収入アップにつながります。
就職・転職時には「求人票の条件」だけでなく、「実際にどんなサポートを受けられるか」「どんな人たちと働くのか」を見極めることが、安心して働き続けられるポイントです。
訪問介護を始めてみたい方はこちら
👉訪問介護パートを始めるには?応募から業務開始までの流れを解説!
体験談|施設派遣から訪問介護パートへ転職(40代女性)

私は40代で、これまで施設で派遣として介護の仕事をしていました。施設は人員体制が厳しく、常に慌ただしく動き回るので体力的にきつく、勤務時間の融通もあまりきかないのが悩みでした。
そこで思い切って訪問介護パートに転職。現在は週4日ほど働き、月収はおよそ15万円です。特に土日や夜間の時間帯にシフトを入れることで、効率よく稼げていると感じます。訪問介護は1件ごとの勤務時間が短く、スケジュールを調整しやすいので、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができています。
私はもともと副業を持っているのですが、訪問介護パートとの相性はとても良好です。本業である介護で安定した収入を確保しながら、空いた時間やエネルギーを副業に回せるので、収入面でも気持ちの面でもバランスが取れています。
施設勤務のような疲弊感が少なくなり、「介護の仕事を続けたい」という気持ちを保ちながら働けるのが、訪問介護パートに転職して一番よかった点だと思います。
まとめ|訪問介護パートは「収入」と「自分らしさ」を両立できる働き方

訪問介護パートとして働いた場合、実際の収入は「どれくらい働くか」によって変わります。
この記事では、3つのモデルケースで給料・手取りを試算し、さらに正社員や施設介護との比較も紹介しました。
訪問介護のパートは、働く日数や時間帯を柔軟に選べるのが大きな魅力です。夜間・休日の割増手当や地域独自の支援制度を活用できれば、効率よく収入を増やすこともできます。
一方で注意点として、訪問キャンセルによる月収の変動や、介護職全体として給与水準が全産業平均を下回っており、今後も大きな上昇は見込みにくいという現実があります。
しかし、その中でも資格取得やキャリアアップ、副業との組み合わせなど「工夫次第で収入を上げる方法」はあります。
訪問介護パートの働き方には、「自分らしく」「柔軟に」という魅力があります。そこに十分な「収入」が備われば、より理想的な働き方になります。
自分のライフスタイルや望む未来に向けて、できる工夫を積み重ねていきましょう。
⚫︎まだ資格がない方
初任者研修などの短期講座を受ければ、数か月ほどで現場に立てます。学びながら働ける職場もあります。
👉訪問介護に資格は必要?初任者研修の費用・取得方法・おすすめの取り方ガイド
⚫︎すでに資格をお持ちの方
訪問介護の求人をチェックして、自分のペースで働ける現場を探してみましょう。
\ 未経験OK・柔軟な働き方ができる職場を探すなら /

