誰かのお役に立ちながら、一方で自分自身にも水をやり、小さな芽を育てておく。
そんなふうに働けたら、素敵だと思いませんか?
訪問介護の“パート”という働き方には、多くのメリットがあります。
自分の時間や大切にしたいことに合わせて、働き方のバランスを自分自身で組み立てることができます。
夢を追っている人も、ゆったり働きたい人も。
「自分らしく働きたい」と思う人にとって、ちょうどいい選択肢になり得ます。
住み慣れた家で暮らし続けたい利用者さんや、介護に向き合うご家族の心に、そっと寄り添う訪問介護。
自分のペースを大切にしながら、誰かの日常を支える力になれる――
そんな働き方が、ここにあります。
このブログでは、訪問介護のパートとして現場で働き始め、
現在は事業所を運営しながら、20年以上現場に関わり続けている私が、
訪問介護パートのリアルな仕事内容や、実際に感じたメリット・やりがい・働き方の工夫をお伝えしていきます。
そもそも訪問介護とは?
まずは訪問介護の概要について見ていきましょう。
利用者宅を訪問し、介護サービスを提供します
訪問介護では、訪問介護員(ホームヘルパー)が主に「利用者(=訪問介護を受ける人)」の自宅を訪問し、
身体介護(排泄、入浴、移動など)や生活援助(掃除、洗濯、買物など)等を行い在宅生活をサポートします。
基本的に「利用者」と訪問介護員が1対1で援助を行い、一人ひとりに合わせたサービスを行なっていきます。
誰かの暮らしに役立てる仕事です
「超高齢社会」と言われる現代の日本において、訪問介護は「利用者」が自宅で安心して暮らし続けるための不可欠なサービスとなっています。
また、介護を担う「家族」の負担を和らげ家庭全体の生活の質を高める役割も果たします。

社会に必要とされる大切な仕事です。
訪問介護の仕事内容とは?
訪問介護の主な仕事は大きく次の2つです。
- 身体介護
- 生活援助
身体介護
身体介護は、主に「利用者」の身体に直接触れて行う介助サービスです。
具体的には入浴、移動、排泄、着替え、服薬、食事など、「利用者」が自力では難しい部分をサポートします。

初めは難しくても、慣れると上手にできるようになってきますよ!
生活援助
生活援助では、日常生活に必要な家事を代行します。
具体的には、掃除、洗濯、買物、調理、薬の受け取りなど、これも「利用者」が自力では難しい部分をサポートします。

苦手な仕事内容は、無理せず事業所に相談してみて下さいね。
基本的な仕事の流れ
初めに訪問先のサービス内容を覚えたら、その後は訪問を繰り返していきます。
1.初めはサービスに同行する
事業所からお仕事の紹介を受けたら、初めは何度か責任者や他のヘルパーに同行しサービス内容やケアのポイントを確認します。
お仕事を引き継いだら、次からは一人で訪問となります。
2.サービスを提供する
決まったスケジュールに沿って、担当した利用者宅を訪問しサービスを提供します。
3.記録、提出
サービス終了後は、事業所で決められた方法で記録し、提出します。
4.報告、連絡
利用者の様子に何か異変があったり、仕事上の疑問点などは、事業所に報告、連絡します。

実際の働くイメージについてもっと知りたい方は、次の記事もご覧ください。
パートの場合の働き方の特徴
訪問介護のパートとして働く場合の最大の特徴は、軽やかに働けるというところにあります。
- 働く量・時間が自由に決められる
- 休みが取れる
- 基本は単独行動で、必要に応じて責任者と繋がれる
- 直行直帰できる
- 訪問以外の調整業務がない
働く量・時間が自由に決められる
週1日〜OK、1日1時間〜OKの求人も多く、働く分量や時間帯を自由に調整することができます。
休みが取れる
働く希望に応じてスケジュールが組まれますが、事前に伝えることでお休みを取ることもできます。
基本は単独行動で、必要に応じて責任者と繋がれる
サービス内容を覚えた後は一人で訪問して回るので、人間関係の煩わしさは比較的少ないと言えます。
また、不安なことや疑問点などあればいつでも事業所に連絡できるので、孤独にもなることもありません。
直行直帰
事業所に特別用事がなければ直行直帰のことも多く、時間を有効に使えます。
必要に応じて、事業所に寄って責任者や他のヘルパーと意見交換することもできます。
訪問以外の調整業務がない
訪問介護には「サービス提供責任者」という役職があり、ケアマネージャーや他の関係者との調整をしたり、サービスを組み立ててヘルパーに伝えたり、欠員が出たら調整したり、請求業務を行なったり、
実際には訪問する以外にも細々とした仕事があります。
ですが、「ヘルパーさん」であればそれらの煩雑な業務はなく、訪問に特化できるので仕事としてはスッキリしています。

軽やかに働けるというのは最大のメリットかもしれません!
実際にパートで働いて感じたこと
私はパートで働いていた期間というのが10年以上ありましたが、かなり働きやすさというのは感じていました。
具体的には次の通りです。
- 学べる
- 時間をうまく使える
- 疲れない
- 喜ばれる
- 1人という不安
学べる
私が訪問介護のパートとして働き始めたのは20代でしたが、自分がこの先の人生をどう進めば良いのか悩んでいたときでした。
何か答えが見つかるのではないかと思って選んだ仕事でしたが、結果正解だったと思います。
訪問してお会いするのは歴史をくぐり抜けてきた大先輩ですので、いろいろなお話を聞かせていただいた中で、
なんとなく自分の軸というものが出来ていった気がします。
訪問介護は、たくさんの長老のお話を聴いて回るような、貴重な学びの時間とも言える仕事だと思いました。

普段は出会わないような方にお話を伺えたりして、
それらは私の財産になっています!
時間をうまく使える
当時、私は介護の仕事をしながら、なんとかダンスの練習に時間を割けないかと考えていました。
自分に合う生活パターンを模索していった結果、介護の仕事とダンスの練習を2時間ごとに交互に行うというスタイルに行きつきました。
訪問介護のパートであれば、自分に合う生活パターンにカスタマイズしやすいと思います。

残念ながらダンスはモノになりませんでしたが・・・
疲れない
訪問介護のパートの仕事で、疲れたと感じたことはほとんどないような気がします。
それは1回の訪問で、20分〜90分程度と時間が短いことが一番大きな理由かもしれません。
同じ仕事でも4時間連続とかになってくると、重たく感じてくるかもしれません。
それから余白を空けて仕事を入れていたので、体調が悪ければ昼寝をしたりしてメンテナンスできたので、
心身が安定した状態でいられました。
また、ほとんど単独行動なのでその気楽さも自分には合っていました。

語弊を恐れずに言えば、「おばあちゃんの家にちょっと寄って手伝う」くらいの感覚でした。
喜ばれる
自分のした仕事で喜んでもらえるというのは、とても嬉しいことでした。
皆さん困っていらっしゃるので、そんなに大した事はしていないのですがそれでも喜んでもらえました。
自己肯定感が上がってしまいますね笑

喜んでもらえるとなると、頑張ってしまいますよね!
1人という不安
それでも仕事を始めたばかりの時は、1人で訪問することにかなり不安と緊張がありました。
何を話せばいいのか、怪我をさせてしまったらどうしよう、時間内に終えられるか・・・
2、3ヶ月でだいたい慣れましたが、
特に怪我をさせてしまってはいけないので、抱え上げるようなケアのところは責任者の方に何度も同行してもらいました。
その他のケアも、うまく出来ているのか最初はよく分からなかったので、「何か問題があれば何でも教えてください」ということをよくお伝えしたりしていました。
今でも不安も緊張も持って働いています。うまくいくように準備したり、改善したりしています。

不安も緊張も、うまくいくためのステップですよね。
まとめ:訪問介護パートという“ちょうどいい働き方”
訪問介護のパートという働き方には、自分の生活スタイルに合わせてカスタマイズできる柔軟さがあります。
それによって、
- 誰かのお役に立ちながら、無理せず軽やかに働くことも、
- もう一つのやりたいことに打ち込みながら働くことも、
- 社会とのつながりを持ち、健康を保ちながら働くことも、
すべて“自分らしいちょうどいい働き方”として実現できます。
さらに、一人ひとりの利用者さんと丁寧に向き合う中で、介護の知識だけでなく人生観にも触れ、学びが得られます。
「ありがとう」と感謝の言葉をもらえることがやりがいとなり、
誰かの役に立てている実感は、自分自身の成長や自信にもつながっていきます。
訪問介護のパートは、無理なく働きながら、学びややりがいも得られる。
そんなバランスのとれた働き方の選択肢です。

少しでも興味がある方は、訪問介護パートという働き方を、ぜひ試してみて欲しいと思います!